じべろ屋本舗

CoJのデッキをビルドしたい人

一球に賭けろ【リリス系赤】

 環境アナライザーGN電池さんのブログより

【COJE】4/21~5/10シーズン総括 - COJ阪神支部

 

極端な話、現行(注:前環境)赤単の必須パーツは15枚しかない。《デビルウィンナー》、《風紀委員マコ》、《夜魔女王リリス》、《火精フレイミー》、《太陽神ラー》各3枚だ。《勝負どころ》を1回使うにしても16枚で済む

 

 

ここでも15枚だ、とまず僕は思った。【赤単】の前期必須パーツの話だ。16枚だけど

 

同ブログはDOBを自在に盛れた【赤単S】の話だけど、頂上リプレイでは《ドーバーデーモン》、《ブロックナイト》、《最後の一葉》、などデッキ圧縮系のカードを混ぜた【赤緑】も主流だったようなので、ここでは【リリス系赤】と呼ぶべきだろうか

 

 これらのデッキはたぶん、CoJPでも流行していた、いわゆる【猿】と呼ばれるデッキの流れを汲んでいて、OC時効果を持った《ドン・ペローネ》や《破壊少女シヴァ》が採用されているデッキがあったり、《蠅魔王ベルゼブブ》と《夜魔女王リリス》の焼きが同じ5000ダメージで少し似ていたりするところに名残が見られる

 

速攻展開して焼切るデッキというのは強い。その耐性がつけ難いから

前期の《火精フレイミー》は《ミューズ》であっても1コスの珍獣ユニットを3体並べれば焼くことができた。不滅代表《獣忍白狼》は、対面にBP5000以下が並んだ場面で他の自ユニットを焼き切られてしまったら無力である。加護であっても《絨毯爆撃》はランダムなのですり抜ける。ただの焼きだけでこれだけ多くの攻略カードを蹴散らすことができる。Pでは《神の杯》導入によって【猿】の勢いが落ちて、代わりに焼き以外の除去手段を持った【赤青】や【赤黄】が増加したことから見るに、環境に《鳳凰》が存在していたのも大きい

 

先行なら2ターン目、後攻なら1ターン目の《夜魔女王リリス》の召喚にかなり賭けている面は捨てきれないけれど、同カードが実質ハンド4枚増強効果なのもあって、ドロー系トリガーカードを多数導入すれば息切れの起りづらい戦い方が可能だ。軽減を使えば0コストで相手を焼ける《太陽神ラー》もカードパワーは抜群で《火精フレイミー》とも相性がよい。序盤からぽんぽんと点をとれたなら後は《勝負どころ》で終わり

 

前回あげた【黄単】、【ブリギッドハンデス】、【紫単】の関係がコントロールデッキによる三すくみだったとするのなら、【リリス系赤】はそこに切り込むアグロデッキだったと言えるのだろう

 

という話は、今回の本筋ではない

大切なのは【リリス系赤】の必須パーツが15枚だということ

【選ばれ黄単】の《選ばれし者》によるドローエンジンは15枚。【ブリギッドハンデス】のハンデスパーツは15枚。そして【リリス系赤】のリリスを中心とした必須パーツも15枚。またもやデッキ名の一部となっている一団が15枚、そろそろ偶然とは言えないのではなかろうか

一つのコンセプトを作る時には、5種×3枚の15枚で一団を意識すのがどうやら望ましい

しかしそれだけではデッキは作れない

 

残りの25枚はどうしたらいいのか

これが僕には分からない

実に様々なデッキタイプを残した【リリス系赤】は、そのヒントを与えてくれるのではないかと思う。やっぱり与えてくれない可能性も否定できない

 

 

《夜魔女王リリス

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©SEGA

 ■集炎の魔陣
このユニットがフィールドに出た時、
あなたのデッキから4枚までランダムであなたのトリガーゾーンにカードをセットする。
このユニットがアタックした時、お互いのトリガーゾーンにあるカードをそれぞれ1枚ランダムで破壊する。
そうした場合、対戦相手のユニットを1体選ぶ。それに5000ダメージを与える。

 

 ・赤緑型

【赤緑】といいつつ緑のユニットが二種類しかいない、JPでもおなじみのタイプ

強みはなんといってもデッキが回転するということ。つまり、ドロートリガーと1コストのキャントリップユニットを採用することで、軽減0コスで何重もドローできる構成になっている

《ブロックナイト》が自身か《ドーバーデーモン》だけを持ってくる構造はハッパロイドからの伝統だし、《ダウジング》も回転の極致と言えそう。《金の神殿》、《進化の系譜》はリリスを引く期待値を上げつつ腐りにくく、《学びの庭》は珍獣が並びやすいこのデッキならでは。《最後の一葉》は、JPでいう何でも屋の陳列棚のように使いつつ、デッキの最後でオーバーライドが止まる事故を解決する

他には《紅蓮の魔導書》とかフレイミーを呼ぶ《世界樹の恵み》とか。マイナーどころでは《クローン生成》を使っている人もいたけれど、これはDOBのためだろうか

本格的に加護で詰むので《絨毯爆撃》も忘れられない

あとは適当な1コス赤ユニット《ナイトメアシープ》、《ドン・ペローネ》、《ケロールレッド》、《ブラックナイト》の中から1,2個選ぶといい。あとから気づいたけど、このデッキタイプだとマコが入らないこともある

 

ざっと見渡すとメインコンセプトのアシストに特化しているのがよくわかる。軽減用カードかドローカードを確定で挿す《夜魔女王リリス》には、手札に1コスユニットを用意するのがもっとも無駄になりにくいのであって、ユニットを出せれば出せるほど強い《火精フレイミー》や《勝負どころ》は珍獣たちとの相性がいい。《夜魔女王リリス》、《火精フレイミー》、《太陽神ラー》の焼きはすべて選択なことも《絨毯爆撃》がサポートしている

 

単体5000の焼きと、2000の焼きと、相手ユニット数×2000の焼き。僕ら初心者には、こうして書くと、なんだか心もとなく見える

しかし、《夜魔女王リリス》は後者二つの焼きを無数に生み出すことが可能で、彼女自体にも十分な焼き能力がある。対策カードたちも突破できるのは前述の通りだし、頂上リプレイを見るに、天敵となる【秩序の盾+王の治癒力BPマシマシデッキ】は環境にあまり存在できなかった

こうした要素を取り出せば、メインの一団だけで十分に完成されているのが分かる。僕ら初心者には、パッと見それが分からない。完成されたコンセプトは、カード能力への理解と、環境への理解、二つが組み合わさって生まれる。このへん僕も理解が浅いからうまいこと言えないのだけど、初心者がデッキを組むうえでとても大事な要素である気がしている

 

そして、武器となるコンセプトさえ完成していれば他のカードはサポートで十分なのは【選ばれ黄単】とも同じ

話は少しそれるけれど、【選ばれ黄単】と比べた時、こちらは《火精フレイミー》というUCカードが絡んできているし、《現世のイザナギ》と《天帝インドラ》と《ライトニングドラゴン》が見るからにシナジーしていたあちらと比べて、ひと手間を加えているような感じがある。書いてあることがわかりやすく強いSRカードではなく、それ以下のレアリティのカードをメインに使いたいのなら、テキスト効果を理解し、そこからシナジーへと発展させることが、必須となりそうだし、それがたぶんとても難しい

 

・赤単型

《火精フレイミー》の効果が発揮されるタイミングが早いということで、【赤緑】よりも短期決戦に矛先が向いているように思う。JOKERも《ブレイブシールド》や《ルインリード》の採用がよく見られた。あちらが《ブロックナイト》、《ドーバーデーモン》、《最後の一葉》という必須パーツにまみれて、ドロートリガーも種類はあれど、どれも汎用性が高いのに比べ、選択の幅のあるこちらはDOB的においしかったのだろうか。デッキが回転しきらないので《文明崩壊》を使って強引に二週目のカードを獲得しにいく構成が目立っていた。シナジーよりも単体が優秀なカードで固めているデッキのことをグッドスタッフというようで、構成のコストなんかを見ていくとそれはそれで得られるものがありそうだけど、デッキのサンプルが獲得できなかったので断念。あとSデッキが跳梁跋扈したらしい

【海洋赤単】はドローエンジンとしての海洋系の採用が特徴。《海底の楽園》は2ドローすることによって差引き手札が1枚増える優秀なトリガーカードで、発動に必要な海洋ユニットは《海からの贈り物》で引き寄せる。上記二種のトリガーを取る手段は持たずに《夜魔女王リリス》が兼任しているみたい。開発者コラムに載っているデッキの焼きこそパワー感がすごい

 

・赤青侍舞姫

2017/02/07の頂上対決 にてみられるタイプ。まわし方についてはティアマトギャンブラーマスターけさんさんのブログが詳しい

CRコードオブジョーカーSの回し方【赤青舞姫侍デッキ】 - ザコ竜公園

 

CoJにはどう考えても上級者が多すぎて僕には浅いことしか言えないのだけど、めげずに頂上リプレイのデッキのカードをひとつずつ見ていくと、加護には《蒼花のメイメイ》のLv2以上ランダム破壊(当時条件なし)、秩序には《鳳凰》という焼き以外のアプローチを用意しつつ、《丹花のリンリン》の小周りの効く焼きと、《遮那王義経》の大型焼きが、《夜魔女王リリス》をサポートしている

このへん加護に《絨毯爆撃》、秩序と小焼きに《火精フレイミー》、大焼きに《太陽神ラー》を採用している【赤緑】の源流がみられる

圧縮要素に目を向ければ、《遮那王義経》がプレイヤーアタックで舞姫を持ってくれば、《丹花のリンリン》もCIPで舞姫を呼び寄せる。舞姫静御前》は侍限定魔法石であり、これら3種に《デビルウィンナー》、《風紀委員マコ》のセットとトリガー3種を合わせて、ドロー効果を持ったカードは全部で24枚もあった。種族サーチ元がなくドローもしないカードは《鳳凰》と《蒼花のメイメイ》(実は道化師)だけで、それらも《金の神殿》で手に入る。つまり全てのユニットへアクセスできる

(代わりにトリガーカードが底に溜まりやすいらしい。【赤緑】と比べると《ドーバーデーモン》、《ダウジング》、《最後の一葉》によるランダムドローがないのが理由になるんだろうか)

そうして溜まった手札を活かすのが、《夜魔女王リリス》と《遮那王義経》が踏む《花の高原》(当時0CPで3CP増加)で、手札とCPさえあればあとはプレイングで大体の状況を突破できる

全然似ていないのに【赤緑】っぽさを発見できたのが嬉しい。《花の高原》に重きを置きつつも持ってくる手段が《夜魔女王リリス》からの30%だったのは多分リリパチと呼ばれた所以で、《花の高原》自体も現在は1CP消費、4CP増加カードに弱体化している。《蒼花のメイメイ》の条件が青二体になったのも重要な点で、代わりに確実にアド、焼きに変換できる《火精フレイミー》と珍獣と《絨毯爆撃》が採用された、というような経緯も見れる。《太陽神ラー》、《最後の一葉》、《ダウジング》の登場も明らかに追い風になっていて、僕ら初心者が陥りがちな状況に置き換えていえば、何か可能性を感じるシナジーをもし見つけたら、そこから細部を調整するだけではなく、実は似ていて優秀な別のカード群を探すことも大切のようだ

 

 ・まとめ

コンセプトとなる15枚が決まったとき、残りの25枚はその補佐を担うよう選ぶと良さそう。【選ばれ黄単】のドローエンジンが疑似的な魔法石なら、残りの25枚は、その都度ベストなカードを選べれば、相手を封じながら攻め込めるように。【ブリギッドハンデス】のハンデスパーツが相手のハンドを涸らしつくすなら、残りは盤面を破壊しながらも必要最低限の守りを。そして【リリス系赤】のリリス周辺のパーツによる焼きで大体の状況に対応できるなら、残りはその焼き能力を最大限に発揮できるように

ただその25枚の配分をどうしたらいいのか、に僕は答えを出せなくて、12~15枚の一団が3つ組み合わさっていると思っていたけど、そうした分類は【赤緑】にはできなかったし、細かく見ればデッキの中で、面積を求める問題のように、重ねあわされているところもある気もする。まだまだ多くのデッキを見ていく必要がありそう

今まで見たデッキと明確に違うのは2つのSR《夜魔女王リリス》と《太陽神ラー》の関係がシナジーはあっても相互補完はしていないことで、極論このデッキの出発点は「《夜魔女王リリス》が強い」の一点に抑えられるようなのは、デッキ作りの励みになるところ

その上で忘れてはいけないのは、《夜魔女王リリス》に賭けることができたのは、テキストへの理解と対面への理解、それにサポートカードを的確に選ぶ構成力によるものだったということ。《黄龍》が可愛いからというだけでは十分ではないのだ。《夜魔女王リリス》まわりの完成され具合からみるに、《勝負どころ》の担っていた役割はそれほど大きなものではない

 

 

次回は前期【紫単】の予定だったけれど、僕がのんびりしていたせいで環境入って二週間経ってしまったし、どうやら今期の【紫単】が丸い選択肢になりそうな気配もあるので、それらが頂上リプレイに出るまでひとまず後回し。予定を変更して今期のデッキについてみていこうと思っています

たぶん【戦士】とか、【赤黄】とか。僕も対面してぼこぼこにされてるので、なるべく早めに分析できたらいいなぁ

乞うご期待